【2026年版】蟠龍天地(蟠龍新天地)完全ガイド|上海の”新しい古鎮”は夜が本番!夕方からの楽しみ方と行き方

上海生活

上海で古鎮(こちん)といえば、朱家角や七宝のような、古い街並みが残る水郷の町を思い浮かべる人が多いと思います。私もいくつか巡ってきましたが、今回訪れた蟠龍天地(ばんりゅうてんち)は、そのどれともまったく違う場所でした。

白い壁と瓦屋根の建物、石畳、水路と石橋。古鎮らしい要素はそろっているのに、並んでいるのはおしゃれなカフェやブランドショップ、雰囲気のいいレストランです。夕方から夜にかけて歩いてみると、夕焼けの水路、夏祭りのような屋台、ライトアップされた運河と、時間とともに表情が変わっていきました。上海でおしゃれなスポットを探している人にはぴったりの場所だと思います。

蟠龍天地の夜の水路、紫にライトアップされた木々と運河を進む小舟

この記事では、私が実際に歩いて感じた蟠龍天地の魅力と、「実はこんな場所だった」という開業の背景や名前の由来をまとめました。夕方から行くのがおすすめな理由や、蟠龍天地の行き方も紹介します。

目次

蟠龍天地(蟠龍新天地)ってどんな場所?

蟠龍天地は、上海市の西側、青浦区徐涇鎮(じょけいちん)にある商業エリアです。虹橋空港や上海虹橋駅のすぐ西にあり、市内中心部からも行きやすい場所にあります。現在は「蟠龍新天地」という名前でも呼ばれています。

「城中村」から生まれ変わった”新しい古鎮”

蟠龍天地を開発したのは瑞安(ずいあん)集団です。上海の人気スポット「新天地」を手がけた会社で、蟠龍天地もいわば「新天地」シリーズのひとつにあたります。

実はこの場所、かつては「城中村(じょうちゅうそん)」と呼ばれる状態でした。城中村とは、都市の発展から取り残されたまま、古い家屋や小さな工場が密集している集落のことです。中国の報道によると、蟠龍は1990年代以降の工業化の中で古鎮らしい風景を失い、長い間このような状態が続いていたそうです。

その城中村を、約5年の計画と約4年の工事をかけて再生したのが蟠龍天地です。2023年4月に開業し、開業直後の連休だけで110万人以上が訪れたと報じられています。2025年には、上海の郊外で初めて「国家級旅游休閑街区(国が認定する観光・レジャー街区)」にも選ばれました。

ゼロから作ったテーマパークではなく、もともとあった古鎮の骨組みを活かしているのもポイントです。十字型の路地の配置を残し、20棟あまりの歴史的建築を「修旧如旧(古いものは古いまま直す)」という考え方で修復しています。新しいのにどこか落ち着いて見えるのは、このためかもしれません。

項目 内容
開業 2023年4月
開発 瑞安集団(「新天地」の開発元)
規模 公共緑地 約23万㎡、水郷古鎮の商業エリア 約5万㎡
水路 蟠龍塘など4本の川、全長約1.5km
コンセプト 「Urban Retreat(都会のプチ休暇)」

「蟠龍」という名前の由来と歴史

「蟠龍」とは、地面にとぐろを巻いている龍のことです。地名としては、町が蟠龍塘(盤龍港とも呼ばれる川)の西側にあることから、この名前がついたといわれています。昔は「盤龍鎮」とも書かれていました。

地元には、こんな伝説も残っています。明を建国した朱元璋(しゅげんしょう)が戦乱の中でこの地に追い詰められ、2本の刀で包囲を切り抜けて天下を取った。それにちなんで「蟠龍」と名づけられた、というものです。あくまで言い伝えですが、皇帝を龍にたとえると思うと、なんだかロマンがありますよね。

歴史についてはいくつかの説があります。中国の報道では「1400年以上前の隋の時代にさかのぼる」と紹介されています。ほかにも、唐の時代の記録に名前が見える、明の時代に倭寇(わこう)の襲撃で荒れ、清の初めに復興した、などの説があります。いずれにしても、「水によって生まれ、商売で栄え、お寺で発展した」といわれる、典型的な江南の水郷の町だったようです。

第一印象は「古鎮なのに、おしゃれ」

DiDi(中国の配車アプリ)を降りて歩き出すと、まず迎えてくれるのが、「蟠龍天地」と彫られた立派な石の牌坊(はいぼう=門)です。

蟠龍天地の石造りの牌坊と石畳の通り、夕方の人出

足元は大きな石畳、両側には白い壁の建物。ここまでは「古鎮」そのものです。でも、すぐ横にはおしゃれなティースタンドがあり、牌坊の前には大きな白い犬を散歩させている人がいました。蟠龍天地は上海で最初の「ペットフレンドリー」な商業施設のひとつだそうで、敷地内には約800㎡の無料ドッグランもあるそうです。犬連れの人を本当によく見かけました。

瓦屋根の建物にブランドショップが並ぶ蟠龍天地の路地

路地に入ると、瓦屋根の建物にアパレルショップやアクセサリーショップがきれいに収まっています。建物の窓は大きなガラス張りで、店内も明るくて洗練された雰囲気です。朱家角や七宝のような「昔ながらの生活感」とは正反対で、古鎮の形をした、おしゃれなショッピングストリートという印象でした。

上海のほかの古鎮との違い

これまで訪れた上海の古鎮と比べてみると、違いがよくわかります。

項目 蟠龍天地 朱家角 七宝 南翔
雰囲気 おしゃれ・洗練 王道の水郷 下町の老街 素朴な古鎮
街並み 修復・再生された新しい街 古い建物が多く残る 古い商店街 古寺・古塔が残る
お店 カフェ・ブランド・レストラン 名物グルメ・土産物 食べ歩き屋台 小籠包の名店
清潔さ とてもきれい 観光地らしい にぎやか 生活感あり
おすすめの時間 夕方〜夜 午後〜夜 昼〜夕方 午前〜昼

「歴史ある本物の古鎮」の空気を味わいたいなら朱家角や南翔、「古鎮の雰囲気の中で、おしゃれに食事や買い物を楽しみたい」なら蟠龍天地、という使い分けがおすすめです。

夕焼けに染まる水路がとにかくきれい

石橋の上に立って水路を見下ろすと、ちょうど空がオレンジ色に染まり始めたところでした。

石橋の上から見た蟠龍天地の水路と夕焼け空

水面に夕焼けが映り、左岸にはパラソルが並ぶテラス席、右岸には白壁と黒い木枠の建物。よく見ると、古い建物の中に有名なアイスクリームブランドのお店が入っていたりもします。古い町並みと今っぽいお店が自然に混ざっているのが、蟠龍天地らしいところです。

少し歩くと、噴水のある広場に出ました。

ピンクの提灯が吊るされた木々と噴水広場、奥に飲食店が並ぶ

木々にはピンクの提灯がたくさん吊るされていて、奥のレストランからはオレンジ色の灯りがこぼれています。日本の居酒屋のような「一斗二升五合(ご商売ますます繁盛)」の看板を掲げたお店もあり、ちょっと親近感がわきました。噴水の水面に建物の灯りが映って、日が落ちる前からもうムードたっぷりです。

小物の屋台がずらり!ちょっとした夏祭り気分

個人的に一番テンションが上がったのが、広場に並んだ屋台のエリアです。

白いパラソルとテントが並ぶ蟠龍天地の屋台マーケットと大勢の人

白いパラソルとテントがずらりと並び、裸電球のような温かい灯りがともっています。売られているのはアクセサリーや雑貨、手作りの小物など。ひとつひとつ見て回るだけでも楽しくて、ちょっとした夏祭りに来たような気分になりました。

赤と緑の提灯が吊るされた回廊を行き交う人々

屋台へ続く回廊には、赤と緑の提灯が吊るされています。提灯には「FULL MOON FESTIVAL」の文字が入っていて、月をテーマにしたマーケットイベントが開かれていたようです。蟠龍天地では「蟠龍水集」というオリジナルのマーケットなど、季節ごとにいろいろなイベントが開かれているそうなので、行く前に中国のSNS(小紅書など)でチェックしてみるのもおすすめです。

この時間帯になると、人の数もぐっと増えてきました。家族連れがとても多く、子どもの手を引いて歩く家族の姿をあちこちで見かけました。観光客というより、近くに住む人が週末の夜に遊びに来ている、という雰囲気です。

夜空の下、ピンクと水色の提灯が連なる蟠龍天地の路地

すっかり暗くなると、路地の提灯がいっせいに輝き出します。ピンクと水色の提灯が夜空に映えて、とてもかわいい景色でした。右側のお菓子屋さんのショーケースには人だかりができていて、どこを歩いてもにぎやかです。

夜ごはんは広東料理で烤鴨(ローストダック)

夜はどのお店も大混雑

夜になると、食事を目当てに来ている人がとても多い印象でした。レストランはどこも満席で、店の前には順番待ちの人があふれています。

蟠龍天地のレストラン颐荟(YIHUI RESTAURANT)の外観とメニュー看板

最初に入ろうとしたのは、写真の「颐荟(YIHUI RESTAURANT)」です。看板メニューは身がぎっしり詰まった酔っ払い蟹(酔蟹)や、魚の頭のネギ煮込みなど。外観も高級感があって期待していたのですが、待ち時間がかなり長そうだったので、泣く泣くあきらめました。蟠龍天地にはこのようなレストランがたくさんあり、どこも人気です。

少し空いていた広東料理店で烤鴨

いくつかお店をのぞいて回った結果、比較的すぐに入れそうだった広東料理のお店に入りました。ここで頼んだ烤鴨(カオヤー)が大正解でした。

広東料理店で食べた艶やかな皮の烤鴨(ローストダック)

見てください、この照り。皮は飴色にツヤツヤと光っていて、見た目からしてもう美味しそうです。食べてみると期待どおりで、とても美味しかったです。

ちなみに、日本で「ダック」というと、薄い皮で包んで食べる北京ダックを思い浮かべる人が多いと思います。広東式のロースト(焼味=シューメイ)は、このようにぶつ切りにして、お肉ごとそのまま食べるのが一般的です。ご飯にもお酒にも合うので、広東料理のお店に入ったらぜひ頼んでみてください。

食べ歩きなら泰康食品の鮮肉月餅

食べ歩きで買ったのが、泰康食品(タイカンフーズ)の「現烤鮮肉月餅(焼きたての肉入り月餅)」です。

泰康食品の現烤鮮肉月餅の看板、味ごとの値段表

看板によると、泰康食品は1914年創業の老舗です。「有些味道永遠都不会改変(変わらない味がある)」というキャッチコピーにも、100年以上続くお店の自信が感じられます。値段は味によって違い、1個6〜12元ほどでした。

味 値段(1個)
鮮肉(豚肉)/榨菜(ザーサイ)/蘿卜絲(大根の千切り) 6元
虾仁(エビ)/蛋黄(塩漬け卵黄) 8元
羊肚菌(アミガサタケ) 9元
蟹黄(蟹みそ)/佛跳墙(高級スープ風) 12元

赤い文字が押されたできたての鮮肉月餅がずらりと並ぶショーケース

ショーケースには、赤い文字で味の名前が押された月餅がぎっしり並んでいます。月餅というと甘いお菓子を想像しますが、鮮肉月餅はパイ生地の中に肉あんが入った、上海の定番の塩味の月餅です。食べてみると、サクサクの生地と肉あんの組み合わせがとても美味しかったです。

ただし、何層にも重なったサクサクの生地がポロポロとこぼれるのが難点。歩きながら食べると服にも地面にもパイくずが落ちてしまうので、ティッシュを用意するか、ベンチに座って食べるのがおすすめです。

本番は夜!ライトアップされた水郷の夜景

ごはんを食べ終えて外に出ると、空は深い青色に変わっていました。ここからが蟠龍天地の本番です。

ブルーアワーの蟠龍天地、両岸のレストランの灯りが映る水路とアーチ橋

日が沈んだ直後のブルーアワー(空が青く残る時間帯)は、両岸のレストランの灯りと、ライトアップされたアーチ橋が水面に映り込み、息をのむほどきれいでした。水辺のテラス席は食事を楽しむ人でいっぱいで、街全体がゆったりとした夜の空気に包まれています。

冒頭の写真も、このあたりで撮った1枚です。岸辺の木々が紫色にライトアップされ、水路を小舟がゆっくり進んでいきます。日中のおしゃれな雰囲気とはまた違う、幻想的な景色でした。

夜の蟠龍天地、光る花のオブジェと櫓で漕ぐ小舟が浮かぶ運河

さらに暗くなると、水面に浮かんだ大きな花のオブジェが白く輝き出しました。その横を、船頭さんが櫓(ろ)を漕ぐ小舟が通り過ぎていきます。昔ながらの手漕ぎ舟と、現代的なライトアップの組み合わせ。上海の古鎮の夜景はいくつか見てきましたが、ここまで「映える」夜景は蟠龍天地ならではだと思います。

蟠龍天地の行き方と基本情報

私は今回、DiDi(滴滴出行)で行きました。帰りも夜遅くなることを考えると、配車アプリは気楽で便利です。地下鉄を使う場合は、地下鉄17号線の「蟠龍路(パンロンルー)」駅が最寄りになります。17号線の始発駅「虹橋火車站(上海虹橋駅)」から2駅なので、虹橋エリアから行くなら地下鉄でも簡単です。

項目 内容
名称 蟠龍天地(蟠龍新天地)
場所 上海市青浦区徐涇鎮 蟠鼎路123弄 周辺
最寄り駅 地下鉄17号線「蟠龍路」駅
タクシー・配車アプリ DiDiで「蟠龙天地」または「蟠龙新天地」と入力
営業時間 10:00〜22:00(店舗により異なる)
入場料 無料
ペット 同伴OK(無料ドッグランあり)

※営業時間などは変わることがあります。お出かけ前に、地図アプリ(高徳地図・百度地図など)や公式の発信を確認してください。DiDiで行き先を入力するときは、日本語の漢字「蟠龍」ではなく、中国語の簡体字「蟠龙」で検索すると見つけやすいです。

次に行く人へのアドバイス

  • 夕方から行くのがおすすめ:明るいうちにショップ街を歩き、夕焼けの水路を見て、ごはんを食べて、夜景で締める。この流れで、蟠龍天地のいいところを全部楽しめます。
  • 夜の雰囲気が本当にいい:提灯、ライトアップされた水路、手漕ぎ舟。昼間だけで帰ってしまうのはもったいないです。
  • 夕食は早めに、または予約を:夜はどのレストランも大混雑します。人気店に行きたいなら、早めの時間に入るか、事前に予約を。入れなかった場合は、少し空いているお店に切り替えるのも手です(私はそれで美味しい烤鴨に出会えました)。
  • 食べ歩きにはティッシュを:鮮肉月餅のようなパイ生地のおやつは、ポロポロこぼれます。
  • イベント情報をチェック:時期によってマーケットやイベントが開かれています。屋台が出ている日に当たると、楽しさが倍増します。
  • 歩きやすい靴で:石畳の道や石橋が多く、ぐるっと回るとけっこう歩きます。

よくある質問(FAQ)

Q. 蟠龍天地の入場料はかかりますか?

A. 入場は無料です。お店での買い物や食事、舟などの体験にだけお金がかかります。

Q. どれくらいの滞在時間がおすすめですか?

A. 散策と食事で3〜4時間くらいがちょうどいいと思います。夕方に着いて、夜景を見てから帰るのがおすすめです。

Q. 子ども連れでも楽しめますか?

A. 楽しめます。実際に家族連れがとても多く、広場や噴水もあって、子どもたちも楽しそうでした。ただし、夜は人が多いので、迷子には気をつけてください。

Q. 朱家角や七宝とどちらに行くべき?

A. 歴史ある本物の古鎮の雰囲気を味わいたいなら朱家角や七宝、おしゃれな街並みで食事や夜景を楽しみたいなら蟠龍天地がおすすめです。雰囲気がまったく違うので、両方行っても楽しめます。

Q. 犬を連れて行っても大丈夫ですか?

A. 蟠龍天地はペットフレンドリーな施設で、無料のドッグランもあります。実際に犬を連れている人をたくさん見かけました。お店に入れるかどうかはお店ごとに違うので、入口の表示を確認してください。

まとめ

蟠龍天地は、かつての城中村を再生して生まれた「新しい古鎮」でした。古鎮らしい水路や石橋の風景はそのままに、おしゃれなショップやレストランが並び、上海のほかの古鎮とはまったく違う楽しみ方ができます。

  • 古鎮の形をした、おしゃれでとてもきれいな街並み
  • 夕焼けの水路と、夏祭りのような屋台エリア
  • 夜はどのお店も混雑。広東料理の烤鴨と、泰康食品の鮮肉月餅が美味しかった
  • ライトアップされた夜の水郷がとにかく幻想的
  • 行くなら夕方からがおすすめ

上海でおしゃれなお出かけスポットを探している人や、古鎮巡りはひととおりしたという人に、ぜひおすすめしたい場所です。夕方に到着して、ぜひ夜まで楽しんでみてください。

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